流通した香取市のほうれん草で実害が出るか計算してみた

    制限期間にホウレンソウを出荷
    http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=1583855&media_id=2

    この行為は非常に残念ですね。
    結果として、東北産の食物の悪いイメージを増大してしまっているので、流通させるべきではなかったでしょう。

    同じ記事について書いている日記にも

    「何考えてんだぁ!!??これだから北日本のものは買えねーんだよ!!!毒と分かってて、自分の利益のためだけに売っているんじゃないか!!!被害者面して加害者じゃねーか!たち悪いぜ!!!風評被害だぁ?実害になってるじゃねーか!!!これでも風評被害はやめよう、とか呑気な事を言ってられんのかぁああああ!!!絶対にほうれん草食っちゃダメだ!!産地偽装もありえるし、何も信じられん!食ったら死ぬぅ!」

    という意見が多数を占めてました。


    けどちょっと待って。。。

    本当に「実害」って出る量なんでしょうか?

    出荷されたほうれん草に含まれていたヨウ素131は、3/30に検査された値で最大2117Bq/kgですな
    http://atmc.jp/food/?d=30&s=i131&a=12&q=407cf

    記事に
    「千葉県は26日、国の暫定規制値を超す放射性物質が検出され出荷の自粛・制限対象となった同県香取市産ホウレンソウを、制限期間中の4月1~22日、同市の農家が県内の民間青果市場に7885束出荷したと発表した。」

    とあるので、3/30に取れたものを、しばらく置いてから(1週間とかかな?)出荷したのだと思われます。そうするとほうれん草に含まれたヨウ素131は、規制値が2000Bq/kgなので、それ以下となったから、流通させた、という背景があると思います。まぁ政府からの指示で「自粛」を呼びかけていて、かつ、この状況で出荷すればかえってブランドイメージが悪くなるのは避けられないですから、出荷したこと自体には疑問を持たざるを得ません。出荷しないほうが結果的に収益があったでしょう。


    けども、健康に実害が出るかどうかは別問題。

    まぁこれを計算してみます。

    http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1692624994&owner_id=454353
    にも書きましたが、15000Bq/kgのほうれん草(0.33ミリシーベルトの体内被曝)でも、年間に自然に体内被曝する量(1ミリシーベルト)の1/3でしたので、2000Bq/Kgであれば、0.044ミリシーベルトくらいになりますね。
    http://www.rist.or.jp/atomica/data/pict/09/09010504/01.gif

    実際におひたしにして食べた、という場合は50~100gくらいを食べることになるので、http://www.city.kasugai.lg.jp/mirai/8855/10326/r6.html
    ほうれん草のおひたし一食分1=0.0022~0.0044ミリシーベルト、となります。


    100mSvで発ガン率が0.5%上昇するリスクがある、と見積もられているので、発ガン率に換算すると0.5x0.0044/100=0.000022%の発ガン率が上昇が見積もられます。



    毒を売った、というか・・・・・いや、誤差じゃないでしょか?



    僕らは普段の生活していても、1年間に1mSvほどの体内被曝をするので、一日当たりに換算すると
    1mSv/365=0.0027mSv
    空気に含まれているラドンを吸ったり、食品に含まれている自然界に存在する放射性物質によって、これだけは日本人は皆体内被曝してるわけです。


    おひたし一食分は0.0044mSvですから、日数に換算すると0.0027/0.0044=1.6日分。つまり、うるう年が来た時とほぼ同じかと。

    世界的な平均値は年間1.4mSvの体内被曝ですから、
    http://www.rist.or.jp/atomica/data/pict/09/09010504/01.gif
    今回流通してしまったほうれん草のおひたしを90食くらいすれば、世界的に平均レベルの体内被曝をすることになります。



    ・・・・4日に1回のおひたし以上だと世界平均の体内被曝。。。
    んー・・・・普通に食ってもいい気がしますが。




    交通事故による死者数は10万人に4人くらい
    http://www.utms.or.jp/japanese/condi/jiko.html
    死亡する確率は4/100000=0.004%ですね

    今回の騒動になったほうれん草の200倍くらいは危険だと思います。

    もちろん、車にはメリットがありますし、このほうれん草にはメリットがありませんし、単純比較はできませんが、この程度のリスクだと考えます。


    個人的な意見としては、
    ・流通させたことは賢明な判断ではない
    ・健康に被害が出るレベルとは考えにくい
    ・法的な規制ではないので、商品自体に法的な問題があるとは考えにくい

    ですね。



    流通させたのは結果的には良くなかったと思います。
    でも、「北日本産のものは実は危ない」とは僕には考えられませんわ



    つーかこういう報道、量という概念がやっぱ抜けてる。
    どーにかなりませんかね・・・orz
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    NakatakeYuhki

    Author:NakatakeYuhki
    東京に在住している研究者です。
    専門:分子生物学、幹細胞生物学、発生生物学、DNA修復、転写制御機構。生物全般に興味があります。

    反似非科学。懐疑論的な考え方をします。

    薬学畑。出身は関西。

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