都内のホットスポット記事の書かれ方

    放射線 首都圏にも広がる不安
    http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=1643990&media_id=2

    ども。出張後も娘に忘れられていなかったので幸せなnaka-takeです。
    先週の学会開催中から、妻の友人が家に遊びに来ているのです(今週末まで)が、何もおもてなしできていません。ちょっと友人と妻の間の会話を想像すると、激しく妄想が膨らみますが、気持ちをしっかり持つことにします。うん、な、なにも非難されることなんて、な、ないんだからねっ

    さてさて、気を取り直して↓

    今まで散々放射線関係の日記を書いてきて、「もう書くネタ無いだろ」と思ってたのですが、久々にこの手の報道を読みました。

    この記事に関する日記をざーっと見渡すと、読者の間にも「不安を煽ってるだけだな」とか「なんなんだよ、もうやめてくれよこういう報道」とかが散見されるようになりました。事故後1ヶ月の時点と随分違う論調になっていて、正直ほっとする面もあります。

    でも、こういう報道を読むと漠然と不安になる方も多いようですね。
    そりゃそーです。そう書かれてますから。


    今まで僕は、「数字の一人歩きを指摘する」というのをメインポイントにして、記事を書いてきましたが、今回の記事は、数字というよりも構成・記者の伝えたい内容が偏っているのが問題です。


    今回の記事では、この記者の方は結構気を使って記事を書いているようにも思えます。山本太郎氏の記事なんかよりよっぽどマシ。

    では書き手に問題がないかというと、そうではありません。
    書き手が「不安が広がってます」ということだけを伝えてるので、読み手も「だから何なんだよ?」という感想しか、この記事からは抱けませんよね。


    こういうマスコミの記事を読むときに、
    「数字の程度・信憑性」
    「記者の意見を除いて、自分の頭で理解する」
    という2点を押さえつつ読むと、特に何の不安も感じません。


    今からやってみます♪


    まず、この記事の段落ごとのサブタイトルを並べてみます↓
    ---------------------------------------------------------
    題<放射線量>首都圏にも広がる不安…「わが子が心配」
    ◇放射線講座、熱心にメモ
    ◇土の入れ替え署名1万人
    ◇リスク判断難しい/自治体は不安解消を
    ---------------------------------------------------------

    これが記者の論旨です。
    まぁ言いたい事は分かりました。要は「みんな不安だ」ということが言いたいわけです。

    記者さんはこれを言うために取材をし、文章構成しているわけです。
    ですので、当然バイアスがかかります。

    でもこれは記者さんが言いたいことであって、僕らが知りたい情報ではありません。
    なので、情報だけを得るために、記者の個人的な意見を排除して読んでみます。


    順番に見ていきましょう

    最初の「◇放射線講座、熱心にメモ」という段落から

    『安全と安心は一緒ではない。科学的に安全な数値でも、それが安心につながるかは別』とあります。

    まさに記事の書き方の問題で、取材の元ネタと、記者の書かれ方が乖離していると思います。この発言者の主旨は「安全だと考えられる値でも、安心をどうやって得るのかが大事」ということだと思われます。数値に振り回されて不安を感じないように知識を備えましょう、という主旨でしょう。でも記事の続きは、「自治体は一生懸命数字を下げることに腐心している、少しでもあったら危ないのだ」的な感じで書かれています。それとなくミスリードされてますね。


    次の「◇土の入れ替え署名1万人」の段落

    かいつまむと
    『土の入れ替えをして欲しい』→『署名は1万人を超えた』→『自治体は動かない』→『親御さんたちはみんな不安』→『実際他の地域よりも高いところがある』→『それは年間限度1ミリシーベルトよりはるかに高い』→『その場所では線量を下げようとして皆必死だ』→『子供たちは泥遊びしたいのに・・・』→『ホットスポットはおそろしい』

    こんな感じ。
    僕はこういう書かれ方をすると「かちん」ときますw


    まず、ホットスポットという言葉がまず気に食わないです。
    相対的にちょっとでも高ければ、そこは「ホット」といわれるのでしょうか?でもこんな定義ではホットがどれくらいホットなのか意味不明。現実的には、アメリカのデンバーなどは、年間4mSvくらいあるわけで、記事で紹介されているホットスポットとほぼ同じ線量です。と、いうことは、そういう地域では町全体がホットエリア・ホットタウンといえますね。
    デンバーに引っ越す人が放射線を気にして、引越しを取りやめた、なんて話は聞かないのに、こういう記事の書かれ方をすると不安しか抱けないですね。もちろん赤ちゃんから大人まで、他の地域と変わらない発ガン率だし、健康に影響があるとは到底考えられないです。

    次に年間限度1ミリシーベルトという表現。
    法律上の上限であって、医学的に何か影響が出る目安ではないので、健康被害を考える上では、意味を持ちません。
    20mSvの被曝があると、0.2%の致死的な発ガン率が上がると、リスクが計算されますので、5mSvだとその1/4、0.05%ですね。しかし、この値は統計的には実証はされないでしょう。それくらいの数字です。http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1726561539&owner_id=454353

    そして、うっとおしいのが、土ぼこり&泥遊びの恐怖をそれとなく示唆してる点。どれくらい危ないから取りやめてるのか、とかが全く考えられてもいないですな。

    土に含まれている放射能は体内にはあまり入らないです。
    http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1709051648&owner_id=454353

    記事に書かれている柏市の数値から考えてみます↓

    http://togetter.com/li/146004
    によると、セシウム137が600Bq/kg含まれている土が36000Bq/m2に換算されます(表土2cmから取った場合を5cmから取ったと計算しているので、実際は14400Bq/m2だと考えられます;計算式はコーリーさんのコメ840参照http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=62393654&comm_id=5554608&page=all)。この36000Bq/m2を換算ツール(http://hp.vector.co.jp/authors/VA047235/radiation.html )に入れ込むと、0.076マイクロシーベルト/時間になります。記事の地域では0.54マイクロシーベルト/時なので、元の600Bq/kgを0.54/0.076倍すると、4200Bq/kgくらいセシウム137が入った土であると換算できました。これを乳児が1kg食べると4200x0.02=84マイクロシーベルト
    呼吸により吸引すると、4200x0.11=462マイクロシーベルトを被曝します。
    使った換算式→http://www.nirs.go.jp/information/info.php?i14
    (お子さんが何歳かで換算値は変わります。上のは一番敏感な0歳児)

    土を1kgなんて食わないので、ありえそうな土埃を考えてみたのが↓

    どれくらい大気中に土埃があるかは場所によって異なるのですが、
    目安として阪神大震災の時の建造物解体処理に伴う大気中粉じん濃度↓
    http://www.hyogo-iphes.jp/kikaku/report/eiken/ERNo22.pdf
    によると、木造の建物を解体する際に、最大100マイクログラム/m3の粉塵があったそうです。世界で最も埃っぽい都市は76マイクログラム/m3らしいので↓
    http://logsoku.com/thread/news2.2ch.net/newsplus/1059443483/
    まぁ、大気中の粉塵量100マイクログラム/m3で計算してみると、1kg÷100μg=1000000000m3の空気を吸うと、1kgの土埃を吸い込みます。
    子供は活動時には、一時間当たり0.31m3の呼吸をするそうです
    http://www.nsc.go.jp/anzen/sonota/houkoku/houkoku20080327.pdf
    ので、1000000000÷0.31÷24時間÷365日=37万年で土埃を1kg吸い込めます=4200Bqのセシウム137を吸い込みます=462マイクロシーベルトを被曝します。

    人間が100年くらい生きるとすると、生涯では上の計算の100/370000=1/3700以下を被曝する計算。大体0.1マイクロシーベルト/生涯です。

    僕らは普通に暮らしていると、食品に微量に含まれているK40とかウランとか、空気中に漂っているラドンとかを吸い込んで、年間あたり1000マイクロシーベルトくらいを体内被曝して生きているので、0.1/生涯なんてのはおそるるに足りません♪
    http://www.rist.or.jp/atomica/data/pict/09/09010504/01.gif

    折角なので、泥遊びについても考えてみましょう↓

    親御さんの中には、『泥には放射性物質が含まれていて、それは普通のガイガーカウンタなどでは計測されていないベータ線やアルファ線が含まれている。土を触って遊んでたら、ガンマ線よりも危険なアルファ線やベータ線で被曝するから危ない』と考える人もいるでしょう。


    土埃や食品などの内部被曝を考える際は、α・β線の危険性を加算して、危険度を評価しなければいけません。だって体の内部ですから、いくら飛程の短い線種でも体の各臓器に届いちゃいますし。

    ですが、外部被曝となると、自治体の発表もガンマ線の値だけだと思います。

    こういうのを見て
    「自治体は情報を隠蔽している!!実際の地面付近の値はもっと高いのに!!!1」という人もいると思います。

    これはちょっとした勘違いかと。

    なぜかというと「外部被曝ではγ線が一番危ないから」測定されているのです。α・β線は破壊力が強いですが、空気中でもかなり減衰しますし、直接的に土を触った場合でさえ、皮膚で止まります。服や靴を通過できないので、露出している肌だけが被曝の対象です。

    皮膚は新陳代謝が激しく、垢は皮膚の一部が剥がれ落ちたものです。α線やβ線のほとんどは、垢となって剥がれ落ちていく運命の死んだ細胞にあたって消滅します。将来的に健康に影響が出ると予想される骨髄や生殖細胞には届かないので、通過力の高いγ線だけを計測すれば、健康被害を考えるには充分でしょう。

    ですので、土を触ったり、泥んこ遊びをしたからといって、将来ガンになる危険性がめちゃくちゃ上がるわけでもないのです。
    もちろん、被曝量は少ないことに越した事はありませんし、土の入れ替えはやった方が安心できるでしょう。そうしたほうが良いに決まってます。
    が、土が口に入った、とか、子供がちょっと触ってしまった、とかで慌てる必要は無いのです。


    ちょっと話がそれましたw




    では最後の『◇リスク判断難しい/自治体は不安解消を』の段落

    記事には「被ばく量は少しでも下げた方がいい。ただ、仮にがん死亡率が高まるとしても0.02%程度で、2人に1人ががんになる時代にそのリスクの大きさを判断するのは難しい。過度に不安で過ごすことで受けるストレスや健康への影響、生活上の他のリスクと比べて考えてみることが大事」と書いてあるにもかかわらず、タイトルだけ読むと不安がまず先行しがち。50%が50.02%になるかもしれない、ということです。

    リスク判断が難しい、だけをピックアップする必要ってあるのか?甚だ疑問です。
    もちろん、この0.02%の差を「重視すべきだ」と考えるか「まぁ誤差じゃね」と考えるのかは、個々人の判断によりますし、個人の判断は尊重されるべきです。
    ですが、もっと書き方あるよねぇ。。。「生活上の他のリスクと比べて考えてみることが大事」がタイトルでも良かったはずですし。

    最後の段落は「どのような対策があるのか」というので結んでいます。
    そもそも「対策が必要かどうか」という点に、なにも論理的な説明がなされていないので、まるで「対策が必要である」という論調で書かれているのは、非常にナンセンスです。こんな事を書かれると、自治体に「対策をしなきゃダメなのになんでしないのぉおお!!!???」と詰め寄る人が大量発生してもおかしくありませんよね。せめて「健康には殆ど影響が無いかもしれないが、漠然とした不安を除くために、自治体として対策を講じる姿勢をアピールする事は、住民の不安を減らすのには有効であろう」くらいで書かれてあっても良いはずです。というか、取材の過程で、そういう情報を記者さんは得ているのでは?


    これで大体全部を見渡しました。
    予想以上に突っ込むところがありましたw


    「皆が不安だから、自分も不安になる」というのは自然ですよね。
    ですけど、「皆が危ないと考えているから、今の状況は危ない」というのは正しいと思いますか?

    重要な判断は、やっぱり自分の頭で考え、理解したいです。



    以下記事のコピペ
    -------------------------------------------------------------------------

    東京電力福島第1原発事故の影響で、首都圏でも大気中の放射線量が比較的高い地域があることが分かり、市民の間で不安が広がっている。福島県内のように、年間の推計被ばく線量が20ミリシーベルトを超えるような地域があるわけではなく、各自治体は冷静な対応を呼びかける。だが、市民の間では「ホットスポット」と呼ぶ声も上がり、自治体は対応に追われている。【早川健人、橋口正、和田浩幸】



     ◇放射線講座、熱心にメモ



     千葉県柏市内で18日に開かれた「放射線講座」。講師の専門家が「安全と安心は一緒ではない。科学的に安全な数値でも、それが安心につながるかは別」と説明すると、350人以上の参加者が熱心にメモを取った。企画した地元の私立幼稚園協会の溜川(ためかわ)良次会長は「経営者と保護者の判断材料にしてほしい」と話す。



     ◇土の入れ替え署名1万人



     3歳と1歳の男児がいる市内の主婦、大作(おおさく)ゆきさん(33)らが幼稚園・学校や公園の土の入れ替えなどを求めて署名運動を始めると、周辺の「幼稚園ママ」らの口コミで、署名は1万人を超えた。



     しかし、市から具体的な返答はなく、長男が通う幼稚園も放射線対策には消極的という。大作さんは「7月から休ませようか」と思い悩む。



     同様の署名の動きは栃木県や茨城県、東京都の父親や母親にも広がる。大作さんは「みんな、わが子が心配なんです」。柏市や千葉県我孫子市では、園庭の表土を削り取る作業を実施した幼稚園もある。



     一方、千葉県には、公式の測定場所が県内1カ所しかないことに批判が集中。県が5月末から小学校などの放射線量測定を始めたところ、柏市内の公園で1時間当たり0.54マイクロシーベルトを記録。南南東約50キロの公式測定場所では同約0.08マイクロシーベルトで、父母の不安を裏付けた。



     同市など県北西部6市も「東葛地区放射線量対策協議会」を結成し、独自測定した結果、流山市内の公園で最高0.65マイクロシーベルトを記録した。



     調査結果は、文部科学省が定めた校庭などの利用時の暫定的目安の1時間当たり3.8マイクロシーベルトを下回る。だが、保護者が懸念するのは、8割超の地点で、同省が目標値とする年間限度1ミリシーベルトから逆算した同0.19マイクロシーベルトを上回っていることだ。



     県の調査で市内で唯一、同0.19マイクロシーベルトを上回った野田市の保育所は、20日から砂場とすべり台周辺の立ち入りを禁止した。保育所長は「これから泥遊びをさせたいのに」と言葉少な。根本崇野田市長は「騒ぎすぎと言われようと、市民の不安を払拭(ふっしょく)しなくてはならない」と説明する。6市の調査で最高値が出た流山市の公園では「数値を下げるため」として、急きょ草刈りが実施された。



     都内でも、放射線量を独自測定し、結果を公表する動きが広がっている。



     一部報道で「ホットスポット」があると指摘された葛飾区では5月以降、住民からの問い合わせが殺到。今月2日から区内7カ所で放射線量の測定を始めた。結果は毎時0.1~0.2マイクロシーベルト台で推移。同区はホームページと広報誌で結果を公表し、希望者にはメール配信もしている。



     ◇リスク判断難しい/自治体は不安解消を



     なぜ首都圏でも「ホットスポット」があるのか。



     放射線の環境影響に詳しい山沢弘実・名古屋大教授によると、放出された放射性物質は一様には広がらず、雲のように塊になったものが風で流され、雨とともに降下する。このため地表の放射性物質の濃度はまだらになる。山沢教授は「放出量が多く、関東方面への風が吹いた3月20~22日に広がったものが降雨で沈着した影響が大きい」と話す。



     千葉県柏市などで計測された毎時0.5マイクロシーベルト程度の場所で、1年間屋外にいた場合に浴びる放射線量は約4.4ミリシーベルト。佐々木康人・日本アイソトープ協会常務理事は「被ばく量は少しでも下げた方がいい。ただ、仮にがん死亡率が高まるとしても0.02%程度で、2人に1人ががんになる時代にそのリスクの大きさを判断するのは難しい。過度に不安で過ごすことで受けるストレスや健康への影響、生活上の他のリスクと比べて考えてみることが大事」と指摘する。



     どのような対策があるのか。首都大学東京・加藤洋准教授(放射線計測学)は「草を植えれば粉じんが舞うのを防げるし、草を刈り取れば土壌の放射性物質の濃度が低下する」と話す。野口邦和・日本大専任講師(放射線防護学)は「自治体が住民の求めに応じて計測し、不安を解消する仕組みを整えるべきだ」としている。【杉埜水脈、久野華代】
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    思ってたより少ねーなぁ。。。

    20キロ圏外からストロンチウム検出…福島


    ども。娘の睡眠サイクルに悩まされているnaka-takeです。
    なっかなか寝ないんだぜ・・・?
    今日は妻に全権を委託済。後は頼んだ、ママ。パパには無理だ。


    さてさて、この記事を読んだ人のリアクションとしては
    「ストロンチウムまで検出されたのか!!!また政府は隠してたなぁああああ!!」
    とか
    「これってベクレルかよ!!!1 何でシーベルトじゃねーんだ??!!!騙す気かぁ!!」
    とか
    「直ちに影響はないとかもう聞き飽きたわ!!!!1」
    とかとかが散見されました




    でも僕は、この記事を読んだときの印象は、

    「ストロンチウムすっくねぇっ」でした



    だって5/8に43万ベクレルのセシウム137が検出された浪江町ですし、もっと多いと思ってました(同社のちょっと前の記事→http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=40428

    今回の記事によると、
    「最大でSr89(物理学的半減期51日)が1500ベクレル/kg、Sr90(物理学的半減期28.8年)が250ベクレル/kg」
    でした。

    情報がこれだけでは足りないので、NHKも見てみました↓
    http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110609/t10013409671000.html
    朝日新聞↓
    http://www.asahi.com/national/update/0608/TKY201106080682.html


    ほかに田村市、広野町、川内村、南相馬市、二本松市でもストロンチウム90が検出されたそうですが、2ベクレルから18ベクレル/kg、といったところのもよう


    やっぱ少ねぇっ



    というのも、ストロンチウム90はセシウム137の1/10くらい、と推察していたからです
    浪江町なら4万ベクレルくらいはあるんじゃないかと思ってました
    ですが、その1/100以下とは。。。意外です


    どうして僕の予想より少なかったのか、ちょっと調べてみました


    そもそも、ストロンチウム90は、測定しにくい放射性物質として有名です
    測定者泣かせらしい
    (詳しくはプロの放射性物質分析の方の記事:http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1709310032&owner_id=8757341 泣いておられますw)
    測定に大体1~4週間かかるので、発表に時間がかかるのはいたし方ありません


    今後は、ストロンチウム90の実測値の発表がだんだん増えてくるでしょうけど、決して政府が隠蔽してあと出しジャンケンをしているわけではないのですね~
    (まぁ原発付近でこんだけ少なかったら、他の地域は検出できない可能性もありますが)


    原子炉内では、ストロンチウムもセシウムも大体同じ割合で存在してます
    http://www.geocities.co.jp/Technopolis/6734/kisogenri/untenbougai.html
    ですので、事故が起こればそりゃ一部は溶け出るでしょうし、漏れてきます
    ですが、沸点が異なり、セシウムが671℃で、ストロンチウムが1382℃なので、セシウム137よりは飛びにくいです
    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BB%E3%82%B7%E3%82%A6%E3%83%A0
    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%83%81%E3%82%A6%E3%83%A0

    チェルノブイリ事故の際には、遠方のロシアからはるばる日本にセシウム137とストロンチウム90が到達してたのですが、圧倒的にセシウム137が多いです
    http://chemibo.jp/hyouka/report_02.html
    http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/reports/kr79/kr79pdf/abstract-JF.pdf
    大気核実験中のものの方がまだ多そう
    http://blog.goo.ne.jp/dias_7/e/0a991368a955fac5426484744b1be036


    原子力事故が起きたばあい、飛び散る放射性物質の中には、大体ストロンチウム90がセシウム137の1/10含まれている、といわれてます(ストロンチウムをちょっと多く見積もった場合みたい)


    ちょっと前に読んだのですが、現在の日本の暫定基準値を策定する際にも、Sr90はCs137の1/10と見積もる、とありましたし(食品安全委員会のファイル:超ムズ注意whttp://www.fsc.go.jp/fsciis/survey/show/cho20060331054  
    その内容に関する日記→http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1693901445&owner_id=454353)、

    ちょっと前の東電の発表でも、放射能汚染水に含まれているのが、セシウム137の1/10でしたのでhttp://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/images/handouts_110522_04-j.pdf


    「なるほど、ストロンチウム90はセシウム137の1/10くらいって見積もっとけばいいんだな」と思ってました。



    ですが、


    前回の日記のコメントにて、ストロンチウム90について尋ねられた際に調べてみるとえっらい少なかったんですよ
    http://www.asahi.com/national/update/0412/TKY201104120522.html
    詳しい発表↓
    http://www.mext.go.jp/a_menu/saigaijohou/syousai/1304936.htm
    http://www.mext.go.jp/component/a_menu/other/detail/__icsFiles/afieldfile/2011/04/15/1304935_0412_1.pdf(3/16-17の浪江村や飯舘村の土壌解析)

    ↓これは飯舘村のもの

          ヨウ素131 セシウム134 セシウム137 ストロンチウム89  ストロンチウム90
    3月16日 160,000   52,000     51,000       260        3  単位Bq/kg


    これらのデータは雨の降る前の測定だったので、何回か雨が降って、上空に漂っていたのが落ちてきて、今回の数字になったのだと考えられるのですが・・・




    ・・・それにしても、少なすぎじゃないでしょうか?



    原子力事故が起きたときにセシウム137の1/10をストロンチウムと見積もるってのは、チェルノブイリ原発事故の際のデータからです

    ご存知のとおり、チェルノブイリ事故では、核反応の制御が暴走し、大爆発を起こして原子炉の中のものが、どばーっと大気中にぶちまけられました
    この時の比率は、ストロンチウム90:セシウム137 = 1:10くらいだったわけです。

    が、今回の福島第一原発事故では、電源が失われる前は、核反応の制御はプログラムどおり行われていました(制御棒は入ったと考えられていますし、核反応自体は止まっているでしょう)。 上の汚染水(冷却に使われた水)には、原子炉の内部を反映する形でストロンチウム90が比較的高濃度で検出されていますが、あまり高温にならなかったため、ガスとして大気中にはあまり出なかったのだと考えられます。実際のデータがそう示してますね。

    今回の事故では、チェルノブイリのような核反応の爆発ではなく、水素爆発と呼ばれる間接的な作用により、建屋が破壊され、放射性物質が拡散しました。ガス状のヨウ素131や、低沸点のセシウム137は気体になり、比較的遠くまで拡散したのだと考えられます。ですが、セシウム137よりも沸点が2倍高いストロンチウム90は、そんなに飛び散ってなさそうですね。30km圏でこの値だったら、県外は殆んど検出できないと予想します。


    実はこのニュース、グッドニュースかもしれないですね。
    分かりにくいですがw



    でも微量とはいえ、ストロンチウム90が検出されていることは間違いないので、どれだけの健康被害があるかは、ちゃんと考えないといけません。




    以下は健康被害について考えてみました↓




    ストロンチウムは水に溶けると2価の陽イオンになり、カルシウムと挙動が似ているそうです
    http://jssspn.jp/info/secretariat/3sr.html
    (↑日本肥料学会のストロンチウム90に関する解説。マニアックだwww)
    なので、骨に沈着しやすいといわれています
    チェルノブイリ事故では骨肉腫が増えたって報告はないのですが、健康被害が出るかもしれませんし、ちゃんとシーベルトに直して計算したほうがいいでしょう


    植物からカルシウムをとるってのは、あんまりありそうにないので、一番経路が疑われる
    「牧草→牛→牛乳」という経路を考えてみます


    ・・・・・ちょっと待って・・・・どうやって計算するんだ???

    ん~・・・・
    http://www.jamstec.go.jp/kochi/j/aboutcore/understand/coral.html
    まぁ、ここ辺りから考えて見ますか♪

    上のリンクの図を見てもらうと分かると思いますが、牧草には微量ながらカルシウムが含まれていますね。それを牛さんが食べて、牛乳がつくられ、我々の体の骨になるわけです。

    牛さんは、年間10000㍑くらい牛乳を作るそうです
    http://www.saitou-bokujo.org/cow/cow.html
    牛乳1㍑あたり、約1gのカルシウムが含まれています
    http://www.j-medical.net/food/f-gyunyu.html
    すげーよ牛乳、やっぱカルシウムの元だな♪

    このカルシウムのおおもとは、牧草であり、土壌中から吸収されているわけです。
    ストロンチウムとカルシウムが全く同じ挙動をすると仮定すると、土にあったストロンチウムとカルシウムの割合がそのまま牛乳に反映されると考えます。

    そのためには、牛の体内のストロンチウムとカルシウムの比が、土にあったレベルまで高くならないといけません。これには結構時間がかかると思いますが、残念ながら僕の計算力ではどれくらいかは分かりません(キッパリ


    まとめると、ストロンチウム90が牛乳を通じて人間の体内に入るためには、
    「土壌→牧草→牛→時間経過→蓄積・飽和→牛乳→人間」
    というステップを踏む必要があると考えられます


    作物にとって望ましい土壌中にあるカルシウムは、大体90mg~330mg/100gみたい
    http://www.agri.hro.or.jp/dounan/idou/idou12-hayasi-2.htm
    なので、0.9gのカルシウムが土1kgにあったと考えます。実際はぶれるんでしょうけど。

    記事では、250Bq/kgのストロンチウム90が検出されたとあります。
    Sr89も検出されていて量が多いですが、半減期が短い(51日)のであとで考えます

    1グラムのストロンチウム90の放射能強度は5.11×10^12Bqなので、
    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%83%81%E3%82%A6%E3%83%A090
    250Bq/5.11x10^-12=4.8x10^-11g=4.8x10^-8 mgです。

    土壌にもともと含まれているカルシウムの4.8x10^-8/900=5.4x10^-11が吸収されます

    牛乳1リットルには1gのカルシウムが含まれているので、このうちの5.4x10^-11gがストロンチウム90と仮定し、ベクレルに直すと280Bq/Lになります。

    ※これは、牛さんの体が完全にストロンチウム90で汚染されきった場合です。実際の牛さんは、もともとは放射能に汚染されていないので、体内で希釈されてもっと少ない放射能になります。

    さて、これを飲んだとします。

    ストロンチウム90の実効線量係数は2.8*10^-5mSv/Bqなので、
    http://search.kankyo-hoshano.go.jp/food2/Yougo/j_senkeisu.html
    280x2.8x10^-5=0.0078mSvを被曝することになります

    年間100リットルくらい飲むと、1mSv弱を被曝しますな

    ただし、放射性物質で完全に飽和している牛から、がっつり牛乳を絞らないといけません
    30km圏外だと、10分の1以下なので、1トンは覚悟して飲まんといかんでしょう
    1日3本飲めば何とかなるのか。。。

    ストロンチウム89はストロンチウム90よりも6倍くらい検出されていましたが、1年くらい経つと7回半分になるので、ストロンチウム90の1/20くらいになります。3ヶ月経てば同じくらいの量として計算すればいいです。まぁ今はそもそも放射性物質で飽和してないので、この計算より低濃度でしょうけど。

    現状は、セシウム137でさえ検出されてないので、
    そもそも計算したり気にする必要もないです
    http://atmc.jp/food/?s=i131&q=8478c&a=12&d=30

    気になるとすれば、今後セシウムやストロンチウムが、牧草などを通じて牛に蓄積されてからですね。でも原発に近いところでさえ、セシウム137の1/1000くらいですから、遠いところではもっと少ないでしょうし、実際の牛の飼料にはカルシウムを添加することが多いようなので、さらに濃度は減るでしょう。

    もちろん、酪農家の方たちや各地方自治体は、既に十分な配慮をしています。牧草自体にどれくらいの放射性物質が含まれているのかをチェックする体制が整っていますし、今のところ検出できないくらい少ないので、上の見積もりがかなり悲観的なことも分かると思います。
    http://wwwcms.pref.fukushima.jp/download/1/chikusan_shinsai-bokusoumonitaring110603.pdf
    福島
    http://www.pref.ibaraki.jp/important/20110311eq/nousanbutsu/20110609_01/
    茨城


    こうした対策がとられているので、ちょっと過剰な気もしますが、念には念を入れ、行政は定期的にストロンチウムの測定をしたほうが良いでしょう(少なくとも年に一度くらい?)。消費者も安心するでしょうし、イメージの改善も今後の大きな課題だと思いますから。量がどれくらいか、というのが分かるだけで、随分違うはずです。


    「今は検出できてないだけかもしれないから、怖い」という人もいるかもしれませんが、
    現状、多く見積もってこれくらいだと考えられますので、あんまり心配しなくてもいいと考えます

    ↓もし、これでも不安なら、酪農家の方々の努力をみてみてください
    福島&茨城産牛乳がND(不検出)な理由
    http://m.togetter.com/li/142577
    彼らは、食品のプロです
    日本が誇る高品質な食品を今までずっと支えていた方たちだと思います


    何か計算間違いなどがあれば、ご指摘くださいm(_ _)m
    ---------------------------------------------------------------------
    追記
    http://www.nfri.affrc.go.jp/topics/R_C.html
    ↑食品総合研究所のリンクが秀逸なのでメモしときます♪

    http://homepage3.nifty.com/h-harada/nonuke/lib/sisan/furoku_e2.html
    ↑なんか似たようなことについて説明をしている記事発見。
    言葉が妙に擬古文なんですがw 政府の調書のまとめらしいですが。。。
    この記事の分類では、チェルノブイリは全放出、今回の福島では揮発性放出、といわれる分類になりそうですね。つーか、イオソって何なんだよwwww
    (1960年に作られたものみたいです。ネットも分析手法もまだまだ確立してない時代に良くこれだけ考えて作られたものだと脱帽。ただ、考え方はかなり古いので、現実に即してないところも多々ありそうですな)

    過去記事
    チェルノブイリ事故と福島の事故の規模の比較
    http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1729416596&owner_id=454353
    20mSvの発ガンの危険性ってどれくらいか
    http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1726561539&owner_id=454353&org_id=1729416596

    過去記事まとめなど
    http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1716766370&owner_id=454353&org_id=1720525164
    http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1720525164&owner_id=454353
    プロフィール

    NakatakeYuhki

    Author:NakatakeYuhki
    東京に在住している研究者です。
    専門:分子生物学、幹細胞生物学、発生生物学、DNA修復、転写制御機構。生物全般に興味があります。

    反似非科学。懐疑論的な考え方をします。

    薬学畑。出身は関西。

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